ソリューション事業部 / 取り組みの記録
APS入居者応対 自動転記 ― 8日間の記録
ネイティブ業務アプリ「APS」への手入力を、AIによる自動転記へ。
現場で次々に出てくる“想定外”を、一日ずつ突破していった記録です。
50件
自動転記の累計
0件
誤登録(開始から一貫)
約60万円/年
委託費の削減見込み
背景:
APSはブラウザで動くWebアプリではなく、Windows上で動く“ネイティブのデスクトップアプリ”です。裏側から一括登録するAPIが無いため、
人と同じように画面を1件ずつ操作するしか方法がありません
。しかも現場の受付内容は、教科書どおりの案件ばかりではありません。この8日間は、その“例外”を一つずつ潰していく道のりでした。読み方は下の3つのタグで追えます。
取り組み
その日やったこと
つまずき
見つかった問題・反省
突破
どう乗り越えたか
8日間のあゆみ
6月28日(相手を知る)から、7月5日(実用段階)まで。
DAY
1
6/28(土)
相手を知る ― 正体の解明とお試し検証
取り組み
APSが
ClickOnce配信の.NETネイティブアプリ
だと判明。裏側APIが無く画面操作しかできないと確定。Kintoneの受付内容を抽出する土台を作成。
建物コードがAPSの建屋コードと1対1で一致
する発見で、物件の取り違えが原理的に消えることを確認。
つまずき
「一括登録の窓口が無い=1件ずつ画面操作」という宿命。ここを甘く見ると成立しない。
突破
画面の各項目に“安定した目印”を見つけ、機械が確実に触れる足場を用意した。
DAY
2
6/29(日)
エンジン誕生 ― 初の本番登録まで
取り組み
入力→
読み返し検算
→保存の心臓部を実装。「正しく入る、さもなくば保存せず人へ回す(
誤登録ゼロ
)」を原則に。初の本番転記に成功。
つまずき
“見た目は入っているのに保存で弾かれる”罠。内部の値が更新されず、検算が見た目だけ見て「合格」と誤判定していた。
突破
実際のキー入力・貼り付けで
内部の値ごと更新
する方式に変更。新規画面の自動オープン+自己修復+二度打ち防止まで備えた自動バッチが完成。
DAY
3
6/30(月)
速く、確かに ― 体制づくり
取り組み
1件あたり約30秒に高速化。電話番号も自動入力に。
人による二重チェック(Wチェック)の仕組み
をKintoneに新設し、担当者が確認する運用を確立。
つまずき
“確実に”を盛りすぎると遅い。安全網があるのに過剰な防御を重ねていた。
突破
部屋番号の表記差・空欄など現場の細かなズレを検算に織り込み、精度を上げながら速度も確保。累計12件に。
DAY
4
7/1(火)
人に優しく ― 可視化とタスク化
取り組み
Wチェックを“
タスク
”として担当者に届くように。仕組みの解説ページも公開。
つまずき
チャットの純正タスクカードは、ボットからは投稿できない(プラットフォーム側の制約)。
突破
実タスク作成+共有リスト登録+リンク投稿で、担当者に確実に届く形に。
DAY
5
7/2(水)
自らを疑う ― 敵対的レビュー
取り組み
深夜受付の日付ズレ補正などの“硬化”に加え、
16のAIに「わざと壊す」視点で自己点検
させた。
つまずき
二重登録を防ぐ安全装置が“フェイルオープン”だった。通信が一瞬途切れると素通りしてしまう欠陥を、
事故が起きる前に発見
。
突破
すべてを「
迷ったら止まる
(フェイルセーフ)」に反転。登録済みの案件には二度と触れない多層ガードにした。
DAY
6
7/3(木)
現場の変則に挑む
取り組み
「3号室」「3号棟」「戸建て」など
定型でない部屋番号
を、物件情報から複数の候補を試して特定。
つまずき
部屋検索の空振りでエラー表示が積み上がり、処理全体が止まっていた。
突破
空振りの表示を自動で片付ける仕組みと、“
躓いた案件は後回しにして最後にやり直す
”設計を導入。9件全成功。
DAY
7
7/4(金)
難物を越える
取り組み
画面の開きすぎ(タブの上限)で止まる問題を、開始時の自動掃除で根絶。
つまずき
退去済みの部屋
は入居者が特定できず、依頼者が空のままだとエラーも出さずに保存できない ― この週いちばんの難物。
突破
入居者が特定できない時は自動で“その他”に振り替え。複数日にまたがる履歴にも対応。要確認だった案件も全て突破し、8件完了。
DAY
8
7/5(土)
実用段階へ
取り組み
10件を処理。履歴9行の案件で一時的に画面が開けず躓いたが…
突破
“
後回し→最後にやり直す
”仕組みが自力で回収し、保存成功。10件完了。前日までに作った安全装置が、本番でそのまま効いた。
到達点
自動転記の累計
50件
/誤登録は開始から一貫して
0件
(Wチェック担当の確認も「問題なし」)
“作る(開発)”も“回す(運用)”も外に出さず、
自社で完結
。委託単価・開発費・運用費の三方を削減
日々の例外の大半を吸収し、
「人は最終確認をするだけ」
の状態に到達
結論:自動化は、もう実用段階です。週明けからの本番運用に、自信を持って移れます。